バラバラで耐え難く不気味。不気味の谷にいること。

バラバラだ。バラバラになっていく。

このまま身体もバラバラになってしまえばいいのに。そのようなことを思っているうちに気づけば世界も壊れていく。いや、見えている世界は変わらない。相変わらずの散らかった部屋。ぬいぐるみ。空き缶・空き瓶の山。本がいくつか散乱している。何も変わらない。たしかに世界は崩れていっている。何もかもバラバラになっていく。それにも関わらず私の身体はよく分からない仕方でつながっているし、今見える景色だって形を保っている。私が見出している「現実」とそこにあるはずの「現実」とのズレ。そのズレに私の神経は摩耗していく。私の身体も世界も歪な仕方で形を維持している。どうしていいか分からない。どうしていいか分からない。本当にバラバラだったらいいのに。スライムだったらいいのに。つかみどころのない訳のわからないものになりたい。バラバラになった私を見て戸惑い続けてほしいし、あるいは気づかないでいてほしい。

 

とにかく私はどうしようもなくバラバラで、バラバラでない「現実」とのギャップにずっと不気味さを覚えてきた。本来はバラバラであるはずの自分が形を保とうとしている。周囲は私を「形あるもの」の一員として扱ってくれていて、実際ある程度は「形あるもの」に接近しているのだろう。それでも実体はバラバラなのだ。「形あるもの」に限りなく接近しているが、「形あるもの」になりきれない何か。私はずっとそのような不気味の谷にいる。

 


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