山崎(ナオコーラ)冬のホン祭り① 『反人生』プレイバック

   山崎(ナオコーラ)のホン祭り (©友人S)

毎年恒例!山崎(ナオコーラ)冬のホン祭りがはじまりまった。

遡ること数か月前。不定期に二人で読書会をしているS氏と「たまには小説でも読んでみる?」ということで、山崎ナオコーラ『反人生』という短編集を取り上げてみたところ大ヒット。

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読書会前は「まあまあだったなあ。小説の読書会なんてお互い初めてだし、盛り上がるかしら。」などと不安に思っていたのだが、ぽつりぽつり喋る中でふとした時に二人の間で衝撃が走った。友情は終わる。恋愛関係は終わるときがくるが、友情が終わることはそうそうないと思い込んでいた。それも「そうかそうか、つまり君はそんなやつなんだな」などという決定的な瞬間があるのではなく、なだらかに終わっていく。友人に一方的に託していた、自分もありえたかもしれない破天荒な姿。私にはできなかった世界旅行なんかをしていく姿にテンションが上がるが、友人も成長するにつれ起業し会社員になり、勝手に託していた姿とは別のレールを走り始めていく。そして、彼は破天荒であってほしいという私の期待になんとなく気づいており、それをどことなく重荷に感じていた。『反人生』所収「越境と逸脱」では、友人が別れを告げに来る。友情にも別れはある。大した理由はないが、別れ際に「あ、この人とはもう会わないな」と思いつつ「じゃあね。」と手を振ることがある。「またね」とは言わない。そうかと思えば、その後普通に相手からまたお誘いの連絡があることもある。友人との別れにも色々ある。

 

ちなみに。「なす、大学に入ってから変わったよね」と落胆交じりに言われたことが何度かある身から言わせてもらえば、新しく乗ったそのレールは、あなたの期待に沿うものではないかもしれないが、あなたが期待しえなかった何か別の面白さを見出して生きてますよ.........と、一言添えておきたい。私自身何やってるんだか分からないけど、私からすれば以前も今も大して変わってはいない。

 

 

最近、S氏が「山崎(ナオコーラ)冬のホン祭り」なる言葉を創り出し、語感の面白さから私も乗っかることにしたのだった。とりあえず読書会はしたいよねってことで『美しい距離』の読書会をやりましたとさ。近々『美しい距離』についても書く予定。文章書くの、今日は力尽きました。